GEで働いていたとき、ありがたいことに大変多くのヘッドハンティングのオファーがありました。
組織人として働くのはGEが最後と決めてはいましたが、自分がどの程度の市場価値があるのか知りたくて、ヘッドハンターからの面談の申し出はほとんどすべて受けて会いました。
時には独立するという意思がグラつくような魅力的なオファーもありました。
私には分不相応と思われる、とてつもなく良い条件提示があった案件を断ったときのことです。ヘッドハンターがとても驚いて、「○○円ですよっ!?」と、提示した年俸を繰り返していました。
このヘッドハンターは、働く人の動機付けの本質をわかっていませんでしたね。
一定金額以上の年俸、アメリカでは10万ドル以上、をもらっている人たちに対して、転職するときに重要視する事柄を調査した結果があります。
彼ら、彼女らは、経営者はどういう人か、組織風土はどのようなものか、自分の成長機会はあるかといったことを重視し、年俸を重視するという順位は4位以下でした。
ただその時の提示金額は「桁」が違っていましたので、私が断ったことに対して驚いたのも無理はないかもしれません。
転職しないで独立しても仕事があるかどうかわからないわけで、独立はうまくいく確率が低い賭けに出るようなものでした。
私は若い頃から、独立して個人としてコンサルタントをしていた人たちと仕事をしていましたので、独立時の苦労話はいやというほど聞いていました。(続く)