自分らしさを生かしたリーダーシップとして知られるオーセンティック・リーダーシップの元祖であるハーバード大のビル・ジョージ。
彼の考え方はリーダーシップを教える上でとても大切なものなので、私の研修コンテンツにも引用させてもらっています。
彼がハーバード・ビジネス・レビューに寄稿した論文に、コーチング型リーダーについて触れた文章がありましたので、ここでご紹介いたします。
コーチング型リーダーとして部下に接する際に必要な態度として、その頭文字を取って「COACH」と名付けています。
CはCareで、「チームメンバーのケア」、OはOrganizeで「適材適所の配置」、AはAlignで「組織のパーパスや価値観の合致」、CはChallengeで「潜在能力を最大限に引き出す挑戦」、そしてHはHelpで「目標達成の支援」です。
念のため原文も記載します。
As a coaching leader, you need to Care for your teammates, Organize them into their “sweet spot,” Align them around the organization’s purpose and values, Challenge them to reach their full potential, and Help them reach their goals.
部下育成のためにコーチングは大切な手段なのですが、多くの企業でコーチングがあまりうまく行っていないということを聞きます。
その原因はいくつもあると思いますが、日本人の特性でもある細かい技術的なことにとらわれすぎるということがあると思います。
コーチングの研修でノウハウを学び、実践してみたがうまくいかない。それはスキルや知識を習得する前に、コーチ役としてのあるべき姿や心構えを学んでいないからではないでしょうか。
これはコーチングの研修に限ったことではありませんが、WhatやHowを教える前にWhyを議論しないという、研修でよく見られる事象です。
上述したビル・ジョージのCOACHに表される考え方(Why)を踏まえて、どのようなスキルや知識(What/How)をコーチ役に対して習得してもらうべきか、検討してみる価値はあると思います。