うちの愛犬は柴犬で、14歳になるおじいちゃんですが、とても元気で一日に4回ほど散歩に行きます。
夜の最後の散歩コースで通りかかる家があり、よくバイオリンを練習している音が聞こえてきます。
10年ほど前、その散歩コースから家に戻り、妻に「○○さんの家の子供がバイオリンを習い始めたようだね」と言いましたら、「あれはあなたと同じような年齢のおじさんが弾いているのよ」と。
50歳を過ぎてバイオリンを習い始めるとは良い趣味だなと感心したものです。
当時は、バイオリンが旋律を奏でるというよりは、単に「キーコー、キーコー」という単純な音が流れていました。
あれから10年が過ぎましたが、聞こえてくるバイオリンの音はほとんど当時から変化がなく、相変わらず「キーコー、キーコー」。
趣味としてのバイオリンなので本人が楽しければ問題はないのでしょうが、やはり我流で通すと上達しないものだなと、毎晩のように思っている次第です。
企業の研修でも同じようなことが散見されます。その企業の従業員が研修講師を務めるというケースです。
アマチュアの先輩や上司が教える様子をお手本として学んだ人が講師として登壇するわけですから、お手本になる人がプロレベルなら良いのですが、そうでない場合は我流の極みになってしまいます。
また、新人講師のインストラクションに対して、先輩講師が会場の後方でオブザーブをしてフィードバックを与えるという取り組みをしている会社も多くありますが、そもそもその先輩講師が与えるフィードバックが正しいのかどうかも考えてみる必要があります。
たまに社内インストラクター研修を行いますが、インストラクション・スキルどころかプレゼンテーションやファシリテーションの基本的スキルができていない人が実に多くいるのが実情です。
正しいインストラクション・スキルやプレゼンテーション・スキルを身につけている先輩をお手本として学び、そしてその人たちから適切なフィードックを受けられるようにしたいものです。
我流はどこまで行っても我流です。その我流がいつの間にか会社のスタンダードになってしまっているかもしれませんので、気をつけたいですね。